2017 06 / 05 last month≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫07 next month
プロフィール

おまさ

Author:おまさ
【ミスラ】【スキュアー】

最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
りんく FFXI など!
月別アーカイブ
RSSフィード
ブログ内検索
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 | --/--/--(--) --:-- |
#833 小説書いてみた!2
前回の半分のボリュームでお送りします!
だって考えだすと睡魔に襲われるんですもの・・・。



予期していなかった問い掛けに戸惑う男を尻目に少女は続ける。

「誰から聞いても、本で読んでも、上から覗く男と女の子の目が合ったとこで話は終わり。」
「女の子がどうなったのか誰も知らない。都市伝説の一つなんだろうけど、これって不思議じゃない?」

男もこの手の話は知っていた。
知っていたからこそ、わざわざ扉を全て開き、上から覗き込んだのだ。
だがそれから先は?目が合ってからその男はどうした?
少女のペースに引き込まれていた男は、ついさっき決意した事を思い出し、我にかえっていた。
そうか・・・。
きっとその男も同じ事をしたはずだ・・・。

「きっと女の子は・・・」

そう言うと少女は立ち上がり、体が扉と垂直になるよう体勢を変え、腰を落とし重心を扉から遠い右足に移す。
考えを巡らしながらも、一連の動作を見ていた男は少女がこれから何をするのかを本能的に悟った。
体当たりをして扉ごと俺を床か壁に叩きつける。そんなとこだろう。
たかがトイレの扉と言えど、少女の力で外れる程やわな作りではない。
男は再び想像する。
イチかバチか、最後の望みを託して体当たりをする少女。
しかし、無情にも扉はビクともせず、諦めきれない少女は何度も何度も体当たりを繰り返す。
それでも決して扉が外れる事はなく、終いに少女の精根は尽き果てる。
そうなってしまえば後はもう思いのままだ。
下卑た笑みを浮かべた男は少女のささやかな抵抗を見守る事にした。
だが男は知らなかった。
蝶番や鍵のビスが全て緩み、僅かな力でも外れるように調整されていた事を。
少女を追い詰めたつもりが、まんまと少女に踊らされていたという事を。

「こうしたのよ!!」

自らを奮い立たせるような気合のこもった声とともに、少女は肩から体ごと扉にぶつかっていった。
鈍くもけたたましい音がトイレに響きわたる。
男の予想とは裏腹に、いとも簡単に扉は外れたのだ。
油断をし、何の抵抗も出来ずに宙に投げ出された男は扉と運命を共にするしかなかった。
少女を上に、男を下にした扉は勢いよくトイレの床へと倒れこむ。
訪れる暫しの静寂。

「いっつ・・・」

起き上がった少女は左肩をさすりながら、外れた扉を横にずらして男の様子を確認している。
男は床にしこたま背中や頭を打ちつけ気を失っているようである。
その様子を満足げに眺めながら少女は言った。

「今よ!」

少女が声を飛ばしたトイレの出入口の先、目隠し用の敷居の向こう側に少女が一人立っていた。
上下お揃いのジャージに身を包んだ少女は眠た気な目をこすり
もう片方の手で壁の片隅に設置されているパネル状の物をいじっている。
ボタン等は一切ついておらず、すべてタッチパネルで操作できる代物だ。
ぎこちない手つきでそれを操作していた少女だったが、画面が変わると同時に指の動きは止まり考え込んでしまった。
何かを思い出すように入力しているようではあるが結果はエラー。
同じ行為を何回か繰り返した後

「私の誕生日にするんだった・・・」

少女は小さく呟くと急ぐ様子もなくトイレの中へ消えていく。
暗がりの中で光り続ける画面には『パスワードを入力してください』ただその一文が表示されていた。




自作小説・少女はパンを吟味する | 2010/05/10(月) 05:29 | こめんと:(0)
めっせ~じ
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。